岡崎市 税理士の属性とは

「連合へのラブコールだ」とする見解もあるが、最大のねらいは春闘国民的学習会論の再確認なのだ。 毎年一回の、そのようなチャンスにたいする日経連の執着はきわめて強い、ということだ。
これも春闘の完全変質をねらう「春闘つぶし」攻撃である。 「春闘つぶし」の最大の手口は、「横並び春闘」解体論である。
「より重要な問題は、わが国の賃金決定のあり方である」として、「これまでの春季労使交渉の最大の特色は、横並びによって賃金が決定されてきたことであった。 このため産業間・企業間の生産性格差が賃金水準に十分反映せずに、内外価格差を拡大させることになった」と横並び賃金を激しく攻撃している。
この横並び賃金攻撃は、次のとおり横並び春闘攻撃に連動している。 「賃金決定は、マクロレベルの生産性基準原理を基本に据え、個別企業のミクロレベルでは、経営計画による支払能力に基づいて合理的に行なうべきである。

このような日経連の「春闘見直し」(春闘つぶし)が始まったのは、95春闘に向けてからであった。 その「見直しの筋道」を95年以上に明確に整理したところに96年版「労問研報告」の大きな特徴がある。
日経連は、すでに1995年に「新時代の「日本的経営」」を発表し、ミクロ(企業レベル)の「21世紀戦略」を提起している。 これにくわえて日経連は、97年1月、「ブルーバードプラン」(「青い烏」プラン)なるものを発表し、マクロ(国民経済レベル)の「財界新戦略」をあきらかにした。
賃金決定が企業ごとバラバラになされるということはバラバラ春闘にほかならず、バラバラ春闘ではもう春闘機能を発揮できない。 「春闘」という言葉は残っても、これは実質的な春闘つぶしであり、このような状況をつくりだすことが、日経連のいう「春闘の再構築」にほかならなれによって、日経連のマクロとミクロの「21世紀戦略」が出揃ったことになる。
96年の「労問研報告」は、前者(「新時代の冒本的経営」」)をベースに作成されていた。 これにたいして、97年版「労問研報告」は、両者をベースに作成されている。
ただし、構成上は「ブルーバードプラン」が目立つ。 新しいほうをとくにアピールする形で97年版「労問研報告」はつくられている、ということだ。
そこで以下、まず前半で「ブルーバードプラン」を検討し、ついで後半で97年版「労問研報告」について、とくに(賃金や春闘論に直接関係した箇所)を中心に検討する。 基本的に「ブルーバードプラン」の要約(再論)となっている。
したがって、右の点を検討すれば、事実上、97年版「労問研報告」のすべてを問題にしたことになる。 日経連が発表した「ブルーバードプラン」は、その最重要目標として「雇用の安定」と「国民生活の質的改善」をかかげている。
そのうえでそれの実現のためには、「経営道義の確立」とともに、とくに「国際競争力の維持・強化(高コスト体質の是正)」が必要である、と繰り返し強調している。 つまり、「雇用の安定」と「生活の質的改善」が目標であり、「国際競争力の維持・強化(高コスト体質の是正)」は手段であるかのように位置づけられている。
だが、これは大いなる欺隔である。 というのは、労働者・国民が切望してやまない「雇用の安定」・「生活の質的改善」という、それ自体は歓迎すべき、しかし偽りだらけのスローガンを高らかにかかげつつ、じつは労働者・国民を「高コスト体質の是正」(規制緩和・リストラ)に誘い込むことをねらっているからだ。
そこで手段とされているものこそ日経連の真の目標であり、目標とされているのは労働者を誘い込むための図にすぎない。 端的にいって、日経連のいう「雇用の安定」とは一雇用破壊であり、「生活の質的改善」とは賃金破壊にほかならない。

これが財界の求める「青い鳥」であり、財界が労働者・国民を「焼き鳥」にして食おうという計画これが「ブルーバードプラン」(筆者にいわせれば「焼き鳥プラン」)なのである。 なぜそういえるのか。
以下、「ブルーバードプラン」(以下「プラン」と略記)の特徴・ポイントを検討しながら、はっきりさせる。 まず、日経連の現状認識を「プラン」自身に語らせよう。
大局的には、「先進諸国へのキャッチアップを経て、成熟型の経済社会へ突入したわが国は、欧米諸国と同様に、雇用不安の問題と経済成長の停滞に直面し、21世紀へ向けての経済運営にさまざまな構造問題が提起されつつある」ととらえそのうえで、とくに深刻な側面として、「現在、かつてない失業率を記録している。 企業の雇用維持を最優先とし、過剰な人員を抱えているが、これらが顕在化すれば、失業率は現在の2倍程度に及ぶと見られる」。
「失業率は現在の2倍程度に及ぶ」ということは、約7%の失業率になるということだ(ちなみに、95年、96年の失業率は21%台である)。 経済同友会のU・代表幹事も「(失業率は)瞬間的には10%ぐらいという議論もあった。
5%から7%ぐらいは頭のなかに描いている」(「A」97年1月221日付)ということだから、これは財界人のほぼ共通の認識とみてよい(ただし、「規制緩和」、「構造改革」を今後どんどんすすめるという前提に立ってのことだが)。 また「プラン」は、物価高(内外価格差)を問題点としてとくに強調し、そのほか住宅事情の悪さや教育費負担の高さなど生活条件の劣悪さも深刻だと指摘してみせる。
見逃せないのは、さきの失業率上昇もふくめ物価高などの深刻な問題の原因を、公的な保護・規制にあると「プラン」が断じていることである。 そこから次項でみるように、「雇用の安定」・「生活の質的改善」の美名のもとに、「構造改革」・「規制緩和」・「行政改革」等の反労働者的・反国民的な処方菱が提起されることになる。
はっきりいえば、これらの「処方菱」がさきにあって、それに都合のよい「現状認識」を披涯している、ということなのだ。 これは財界のいつもの手口である。

その「処方菱」をみよう。 まずこういう。
「雇用の安定と国民生活の質的改善を実現するためには、国際競争力の維持・強化が大前提である」。 この「国際競争力の維持・強化」とは「高コスト体質是正」のことである。
両者は同義なのだ。 この両者のためには「構造改革」が不可欠だという。
つまり、「国際競争力の維持・強化、高コスト体質是正のためには、まず経済構造改革を推し進める必要がある。 とくに、既存事業の活性化を含めた新産業創出は雇用機会の確保および経済活動の維持の鍵を握る」とささやきかける。
では、「既存事業の活性化を含めた新産業創出」とはなにか。 既存事業のうち生産性が低く国際競争力の乏しいものは整理・淘汰し、今後21世紀に向けては競争力のある既存事業をスリム化して磨きをかけ、同時に情報通信などの時代にみあった新産業をおこして日本経済(じっは独占的大資本)を活性化させるということであり、これが「経済構造改革」といわれるものの核心部分である。
このような事態の進行に対応して、「労働力の流動化は避けられない。 雇用のミスマッチを避けるために、職業紹介や人材派遣にかかわる規制を緩和し、労働力の需給調整システムを柔軟化する必要がある」と「プラン」は主張している。

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