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ユリスモール・バイハン/(ユーリ) シュロッターベッツ高等部1年。14歳。品行方正、成績優秀でみんなから信頼される委員長だが、ある事件以来心を閉ざしている。トーマのことを愛していたが、自分には資格がないと思い手ひどくふってしまう。南欧系の特徴を持っているため、自分に向けられる差別に対抗して優等生であろうとしている。 トーマ・ヴェルナー シュロッターベッツ中等科4年。13歳。フロイライン(お嬢さん)と呼ばれ、誰からも愛される子供だった。ユーリを救うために自殺する。 エーリク・フリューリンク シュロッターベッツ高等部1年。14歳。ル・ベベ(フランス語で赤ちゃん)と呼ばれるくらい自由奔放で勘がいい。母親とずっと2人暮らしだったためマザーコンプレックスだったが、母親の死によって自分の依存心に気付く。トーマが死んだ直後にシュロッターベッツに入学したが、トーマと瓜二つであったので校内で大きな話題を呼ぶ。 オスカー・ライザー シュロッターベッツ高等部1年。15歳。シュロッターベッツ・ギムナジウムに預けられる前は1年間父親と旅行をしていたため、1年遅れて入学している。不良っぽいが兄貴肌。ミュラー校長が実の父で、そのことが原因で父親は母親を殺害し、その父親も死亡していることを察している。ユーリのことが好きだが、ある事件のことを知ってしまったため見守ることしかできない。 サイフリート・ガスト シュロッターベッツ高等部を放校。素行が悪いが頭の切れる悪魔的な魅力を持っていた。己の主義の実証のためにユーリの心身に深い傷を負わせる。八角メガネが特徴。 アンテ・ローエ シュロッターベッツ中等科4年。13歳。オスカーのことが好きで、オスカーからユーリを引き離そうと、トーマとどちらがユーリを落とせるか賭けをした。 レドヴィ シュロッターベッツ中等科4年。13歳。盗癖がある。トーマがユーリに宛てた不用品回収 を見つけていた。 ヘルベルト、アロイス シュロッターベッツ高等部1年。14歳。ユーリとは常に対立しているが、ユーリを信頼している。 リーベ、アーダム シュロッターベッツ高等部1年。14歳。ユリスモール親衛隊。 ホセ シュロッターベッツ高等部3年。16歳。暴力的な性格。時計を盗まれたことからレドヴィにしつこく付きまとう。 バッカス、シャール、ヘニング シュロッターベッツ高等部の最上級生。毎週土曜日の午後に「ウィークリーマンション 」を主催している。トーマはこのお茶会の常連だった。 マリエ エーリクの母。エーリクと2人で暮らしてきた。恋多き女性であったが、エーリクの編入後、ユーリ・シドとの結婚を目前に事故で亡くなる。 ユーリ・シド・シュヴァルツ マリエの婚約者。マリエとともに事故にあい、片足を切断。エーリクの卒業後、彼を引き取る。 アルフォンヌ・キンブルグ エーリクの弁護士。 マクス・ドッドー ユーリ・シドの友人で医師。ユーリ・シドがエーリクに会いに行く際に同行する。 ロジェ・ブラウン エーリクの実父。 ミュラー シュロッターベッツ・ギムナジウムの校長。オスカーの実父。ライザー夫妻とは大学時代の旧友。オスカーを養子にしたいと思っているが言い出せない。 グスターフ・ライザー オスカーの父。妻を殺害したあと、オスカーを連れて逃亡。横浜 マンション ・ギムナジウムにオスカーを預けて南米に旅立ったが、おそらく死亡しているとオスカーは言う。 ヘレーネ・ライザー オスカーの母。長く夫との間に子供が出来ず、ミュラー校長との間に子供をもうけるが、そのことが原因で夫に殺害される。オスカーを溺愛していた。オスカーはヘレーネそっくりの顔をしている。 シェリー・バイハン ユーリの母。 ユーリの父 ギリシア系ドイツ人。事業に失敗し多額の借金を残して亡くなる。 ユーリの祖母 娘の結婚には反対だった。金髪碧眼の者を好む。南欧系の特徴を持つユーリを嫌っている。 エリザベート・バイハン ユーリの妹。8歳。体が弱い。 ユーリとは違い、金髪であるため、祖母からはかわいがられている。 ベルンハルト・ヴェルナー トーマの父。元シュロッターベッツ・ギムナジウム教諭。 アデール・ヴェルナー トーマの母。エーリクの父の従兄弟。 トーマの兄 トーマの兄。トーマとはそれほど年が離れていない。 ブッシュ先生 シュロッターベッツ・ギムナジウム冷凍おせち 。古典(ラテン語)担当。大変厳しい先生。 ホーマン先生 シュロッターベッツ・ギムナジウム教諭。化学担当。元ヨハネ館の舎監。 保健の先生(アルット) 校医。校長からの信頼も厚い。ユリスモールの傷のことを心配している。 湖畔にて - エーリク 十四と半分の年の夏 「トーマの心臓」の後日譚。『ストロベリーフィールズ』(新書館、1976年11月)に書き下ろされた。 ユリスモール・バイハンが転校してすぐの夏休み、エーリク・フリューリンクは義父のユーリ・シド・シュヴァルツと湖畔で過ごしていた。2人はなかなか亡くなったマリエの話をすることが出来なかったが、ユーリ・シドがエーリクはマリエによく似ていると言ったことからそのような悩みもなくなる。ユーリから手紙が来た。エーリクはうまく返事を書けない。オスカー・ライザーが訪ねてくる。神学校へ行ってユーリに会ってきたと言う。エーリクは考える。失ったものは帰ってくるのだろうか、いつか思いは実を結ぶのだろうか、と。 「トーマの心臓」のオスカー・ライザーがシュロッターベッツ・ギムナジウムに来るまでの話。漫画雑誌『プチフラワー』1980年春の号に掲載された。母親を殺害した父親と初めて親子らしい日々を過ごす1年間を描いたロード・ムービーのような作品で、独立の作品としても人気が高い。 オスカー・ライザーは母ヘレーネ・ライザーからは溺愛され、父グスターフ・ライザーからは無視され、家庭内に居場所がないように感じていた。それでも家族がうまくやっていると思い込んでいたが、一方で自分は父親の子供ではないのではないかと疑っていた。それは事実で、子供が欲しかった母は大学時代の旧友ルドルフ・ミュラーの子を産んだのだった。父グスターフはそれを知っていたが、妻に事実を告げられ、衝動で撃ち殺してしまう。そしてオスカーは父が母を殺したこと、自分が父の子供でないことを悟る。オスカーは父を必死に警察からかばうが、父はオスカーと飼い犬のシュミットを連れて逃亡の旅に出る。旅に出てから2人は初めて親子らしい時間を過ごし、絆が深まっていく。しかし殺人のプレッシャーから父は片目が見えなくなり、母にそっくりのオスカーにも当たってしまう。そして、実の父ミュラーが校長を勤めるシュロッターベッツ・ギムナジウムにオスカーを預けると、父は南米へと去ってしまう。オスカーは父が自分を捨てたことを分かっていた。シュロッターベッツ・ギムナジウムに入ったオスカーは、父グスターフの子供になりたかったと泣く。 「トーマの心臓」の原型とされていた作品。漫画雑誌『別冊少女コミック』1971年11月号に掲載された。 ごく短編であるためか、キャラクターの心理描写よりストーリー性がまさった作品になっている。 この作品は「トーマの心臓」の原型であると長い間読者に信じられていた。「11月のギムナジウム」が雑誌に掲載されてから約3年後に「トーマの心臓」の連載が始まった時、そのキャラクターや舞台設定が前者に酷似していたことから、読者の多くが、「トーマの心臓」は「11月のギムナジウム」をもとに生まれたものと解釈し、それが長年にわたって続いていた。しかし、2007年に出版された作品集の中で作者自身が明らかにしたところによると[1]、「11月のギムナジウム」が雑誌に載るよりもっと以前、まだ仕事が少なかったころに発表の当てもなく描き始めたのが「トーマの心臓」で、その後ほぼ同じキャラクターと舞台設定を使って別のストーリーにする着想を得て描いたのが「11月のギムナジウム」だった。制作着手の順番と発表の順番が逆になったのは、本作品が短編であることから雑誌掲載の機会が得やすかったためである。 11月の第一火曜日の午後、ヒュールリン全寮制ギムナジウムにエーリク・ニーリッツが転入してきた。転入早々、このギムナジウムのアイドル、トーマ・シューベルとうりふたつのため大騒ぎとなる。エーリクを初めて見たトーマはその場で笑い出してしまうが、短気で気の強いエーリクはその態度に怒り、トーマを殴ってしまう。そのことが元でトーマのことが好きなオスカー・ライザーから手荒い歓迎を受けることになった。家庭内の問題で密かに悩んでいたエーリクは、授業中にオスカーを殴り教室を飛び出し、草地で授業をエスケープしていたトーマと偶然遭遇する。トーマは15年前に死んだ兄とエーリクは特徴がそっくりであると告げ、仲直りをしようともちかけるがエーリクはそれを拒否する。トーマはエーリクと自分の関係をクラス委員のフリーデルに打ち明けるが、雨の週末休暇にトーマはエーリクの実家に行き、エーリクの母親に会ってきたことが原因で病に倒れる。それから数日後、トーマは病死する。トーマの葬儀の翌日、フリーデルはエーリクに全てを打ち明ける。