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中古マンション 東京が大々的に変わるのは今回が初めて?

話がちょっと違うのだけれど、大工さんの話を思いだす。
知りあいの大工さんや建具屋さんなどから同じような話をなんども聞いたのだが、ここは本を出している宮大工さんの話を引用しよう(M『宮大工千年の知恵』S社より)。 「何か何でも細かく正確に計算すればいいというものでもない。
大工の世界には『一分や二分は芸者の花』という言葉があります。 柱や梁のような大きな木材の寸法を決める時は、一分一厘にこだわっても意味がない。
木のほうで都合をつけてくれるのだから、そこは木にまかせたほうがいい」。 つまり、人間があまりに細かく正確に考えすぎると、かえって家全体と折りあいが悪くなる。

ある程度はあそびやゆとり、無駄があったほうがいい。 そのほうが住みやすい家になる。
私はそう解釈している。 視点を変えてみよう。
へんなサイズの隙間ができてしまうのは、そこに置いてある家具のせいではないだろうか。 ありあわせの家具をとりあえず並べておいたり、引っ越したのにいままでの家具を有効利用しようとしたり。
それで、凸凹や隙間ができてしまう。 そこにさらに隙間家具を入れる、と発想するのではなく、根本から考えなおすことも必要だ。
もちろん、転勤の多い人や社宅など仮住まいの人は、話はべつ。 ただ、ある程度、「ここを私の住まいとしていごこちよくしたい」と思って住んでいるならば、収納家具は家に合わせて買いなおす、くらいのことはしてもいいように思う。
もう少し考えを進めてみよう。 玄関がごちゃごちゃして狭いのは「あなたのせいじゃありません」と言った。
同じように、収納家具がうまく入らなくて隙間ができてしまうのは「あなたのせいじゃありません」なのではないだろうか。 かつて、家も家具も道具も尺寸でつくられていたから、べつに場所に合わせて考えなくても自然にすっきりと収まるものだった。
壁面にはちゃんと家具が収まり、押入れには布団や長持がきっちり入り、食器棚には皿や酒瓶がちょうどよく収まった。 へんな隙間ができるのではなく、ちょうど使い勝手のよいゆとりができるくらいに収まるものだったのだ。
じっさい、わが家の五十年前の茶箪笥には、なにも考えなくても、じょうずに収納できてしまう。 メートル法は地球のサイズを基準につくられたけれど、尺寸は人間のサイズでつくられたのだから、当然のなりゆきだろう。

マンションの構造に合わせて空いたところにつくられた収納スペースや、団地サイズや○○サイズといった変形サイズでできた押入れ、メートル単位でつくられた家具が全盛になって、使い手がよほど知恵をしぼらなければ収納場所にうまく物が収まらなくなっている。 あなたのせいじやないのだから、隙間ができてしまっても、「ま、そういうものか」とあきらめることも必要、というわけ。
「上」には注意を部屋をすっきり見せるかんたんなコツが、ひとつある。 「上」に物を置かないこと。
これが完璧にできたなら、あなたの部屋は見違えるようにすっきりするはずだ。 「上」とは、箪笥の上、食器棚の上、冷蔵庫の上、食卓の上、テーブルの上、洗面台の上、テレビの上、出窓の上、そして床の上のこと。
ちょっと部屋を見まわしてみよう。 「上」にまったくなにもない人が、はたしているだろうか。
まったく、とは言わない。 安易に置いてあるものが、ないだろうか。
これは、「テレビ台の上に読みかけの雑誌を置くのはやめましょう」とか、「食卓の上に醤油や飲みかけの薬を置きっぱなしにするのはやめましょう」という話ではない。 そんなのは、初歩の知恵。
言うまでもないことだろう。 部屋の片づけの話ではなくて、「『上』を物の収納場所にしていませんか」「『上』にO安易に物を飾っていませんか」というお尋ねなのである。
食器棚の上が、ホットプレートのしまい場所になっていないか。 冷蔵庫の上がフードカッター置き場になっていないか。

食卓の上が、調味料や茶筒置き場になっていないか。 本棚が、お菓子についてきたフィギュアの飾り場所になっていないか。
テレビ台の上がビデオテープ置き場になっていないか。 床の上がランドセル置き場になっていないか。
収納場所に入りきらないから「上」にしまわれるケース。 大きいから「上」に置くケース。
出し入れがめんどうくさいから「上」に置きっぱなしにするケース。 いろいろな理由はあるだろうけれど、「上」に物があるだけで、そこは嫌でも雑然と見えてしまう。
掃除もめんどうになって、埃の巣になってしまう。 ひとつ物を置いただけで、つぎからつぎへと物を置きたくなってしまう。
行き場のない物が、どんどん積み重なっていく。 「上」には物を置かない、と決めて、その決意を守るだけで、部屋はすっきり見えるし、物の際限ない増殖も抑えられるのである。
もちろん、置きたくて置いている物はそれでいい。 そこに置くことで使いやすかったり、嬉しくなったりするものなら、所狭しと並んでいてもいい。

では、「見せる収納」をしたいときにはどうするの?と思われるかもしれない。 実践されている方には申しわけないけれど、「見せる収納」なんてちゃんちゃらおかしい。
きれいな言葉で飾って、現実をごまかすのは、あまりいいことだとは思えない。 前の私の家に来た人が、お玉や菜ばし、下ろし器などをガスレンジ脇のフックにかけているのを見て、「見せる収納ですね」と言ってくれたことがある。
しかしながら、それは単に使いやすいところにしまえる引きだしがなかったからなのである。 使いにくいところにしまうか、ガスレンジ脇のフックにかけておくか、どちらがいいか考えて、かけておく工夫をしただけのことであった。
もう1ヵ所、「見せる収納ですね」と言われたことがあるのは、洗面所にある小さな箪笥の上。 引きだしのなかには下着やタオル類がしまってあるのだが、その箪笥の上に、夫用、私用の籐の寵が置いてあって、それぞれブラシや化粧品類、ドライヤーなどを入れてある。
たしかに便利に使っているのだが、これだって、箪笥にもう二段、引きだしがあれば私は引きだしにしまっただろう。 要するに、引きだしが足りないからなのである。
しまい場所がないから外に出ているものを、「見せる収納」なんてかっこよく呼んで、ごまかすのはやめにしよう。 しまい場所がないなら、その収納場所は「ちょうどよい量」をオーバーしてしまっている、ということ。
ちょうどよい量を考えることを先にしたい。 そして、使いやすさを考えて上に出ているものを「見せる収納」なんて呼びかえるのもやめにしよう。
その物を出しておくほうが使いやすい、という判断をあなたがしたのなら、それこそがあなたらしい暮らしだということなのだから。 きっと、多くの人にとって「見せる収納」とは、「しまえる場所がない」ということなのではないだろうか。
そもそも、「見せる」とは、誰になんのために見せるのだろう。 お客さまが来たときに「まあ、しやれているわね」と言ってもらうためだろうか。

家族誰でも使いやすいように、だろうか。 家は、家族の住む場所。
そう説明すると、たぶん多くの人が納得してくれるだろう。 家族はいっしょに住むものであって、そのための場所が家、ということになる。
ところが最近、いっしょに住んでいる家族なのに、うまくいかない家族が多いという。 少年犯罪との関連も、指摘されている。


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